デジタルトランスフォーメーションの波に乗って、「働き方改革」に向けた動きが世界的に活発になっています。働く人々も、ロックダウンやソーシャルディスタンスといった困難な状況によって、リモートワークの受け入れを余儀なくされました。また、コロナウイルスの危機が続くことで、デジタルな働き方をするためのプラットフォームや、ビデオ会議のアプリケーションの利用が促進されました。パンデミックは私たちの働き方を一夜にして変えてしまいましたが、私たちが見ているのはニューノーマルです。それがどこまで進んでいるのか、今回のブログで状況を追ってみましょう。
国境を越えた働き方
大手ハイテク企業は、従来の労働システムを徐々に変革していくことで「柔軟な働き方」を受け入れていくことの利点を理解しつつあります。ほとんどの業界において、企業は、バーチャルな働き方によって利得を得られる可能性が非常に高いと言えるからです。企業が成功するためには優秀な人材を採用することが重要ですが、今では様々なオンラインでの雇用プラットフォームを通じて質の高い採用を実現することができます。高い能力とグローバル経験を有するリモートワーカーの仕事は、今や特定の地域や国に限定されません。企業が文化的、社会経済的、地理的に異なる背景を持つ人材を採用することで、多様性を享受できる時代になってきたのです。
ギグエコノミーブーム:UpworkとFiverr
企業がリモートワークの利点を認識しているだけでなく、インターネットで育ったZ世代の人々も、柔軟な勤務体系とワークライフバランスを求めています。雇用向けオンラインサービスの最大手であるLinkedInの統計を例にとると、2020年の有料求人情報の割合は前年比457%と急増しており、これは米国における900万件の求人情報に相当します。一方、東欧の小国であるエストニアでは、過去10年間でリモートワーカーの割合が3.8%から12.5%へと空前の成長を遂げています。
このようにノマドワーカーへの需要が高い中、フリーランサー・マーケットプレイスのUpworkは先手を打って、2018年にナスダックへの上場を申請しました。Upworkは2020年初頭に180万人のフリーランサーを募集し、その年から四半期ごとに8,753万米ドルの売上を報告し、毎年約38%の成長を遂げています。新しい格付けでは、Upworkが市場の96%の銘柄を上回っていることが示されています。一方、Upworkの強力な競争相手と言えるのがイスラエルのFiverrですが、同社も2019年に上場して約1億1100万米ドルを調達し、市場競争を勝ち抜こうと奮闘しています。株価は先月18%跳ね上がり、売上高も今期の予測を50%以上超えるなど、大陸を横断するギグエコノミーブームを見せつける形となりました。
ビデオ会議がニューノーマルに
リモートワークやグローバルなワークモデルを構築するために欠かせない存在となってきたのがビデオ会議システムです。世界中に従業員を抱えるグローバル企業は、従業員のコミュニケーションを円滑にするためにいち早くビデオ会議アプリケーションを導入しています。パンデミックによりビジネスが混沌とする中で、費用対効果が高く、インターフェースの操作性に優れた多機能のビデオ電話会議サービスの構築・導入が強く求められています。Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどの会議アプリは、数ヶ月のうちに世界的に広まりました。Grand View Research, Inc.の最新レポートによると、新しい労働文化に支えられ、ビデオ会議の世界市場規模は2028年までに99.5億米ドルに達すると予想されています。ビデオ会議システムは導入が比較的簡単であることから、市場の成長をさらに後押ししています。
現在もパンデミックという困難な状況にもかかわらず、世界中でデジタル化が進んでいます。デジタルトランスフォーメーション技術を採用するという考え方は、私たちの仕事のルーティンの中にある程度の正常性を維持していくために役立ちます。このニューノーマルの時代において企業に必要となるのは、常に挑戦を続け、新たな機会を探し続けていくことなのかもしれません。
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